VPN Navi
技術解説2026-03-228分で読める

ダブルVPN(マルチホップ)とは?必要なケースと設定方法【2026年最新】

最終更新: 2026年03月22日

ダブルVPN(マルチホップ)の仕組み、メリット・デメリット、必要な人・不要な人、NordVPNとSurfsharkでの設定方法を初心者にもわかりやすく解説します。

VPN Navi編集部

VPN・セキュリティの専門メディア

目次9セクション

通常のVPNは1台のサーバーを経由して通信を暗号化しますが、「ダブルVPN(マルチホップ)」は2台のサーバーを経由することで、さらに高いプライバシーを実現する技術です。

この記事では、ダブルVPNの仕組み、メリット・デメリット、どんな人に必要なのか、そして実際の設定方法まで詳しく解説します。

ダブルVPN(マルチホップ)の仕組み

通常のVPN接続

通常のVPN接続では、以下のような流れで通信が行われます。

```
あなたのデバイス → VPNサーバーA(暗号化・復号) → インターネット
```

通信は1回暗号化され、VPNサーバーAであなたのIPアドレスが隠されます。VPNサーバーAの運営者は、あなたの本当のIPアドレスとアクセス先の両方を理論上知ることができます(ノーログポリシーで保護されていますが)。

ダブルVPN接続

ダブルVPNでは、2台のサーバーを経由します。

```
あなたのデバイス → VPNサーバーA(1回目の暗号化) → VPNサーバーB(2回目の暗号化) → インターネット
```

ポイント:

  • VPNサーバーAはあなたのIPアドレスを知っているが、最終的なアクセス先は知らない
  • VPNサーバーBはアクセス先を知っているが、あなたの本当のIPアドレスは知らない
  • どちらのサーバーも、通信の全体像を把握できない

これにより、仮に1台のサーバーが攻撃者によって侵害されたとしても、あなたのプライバシーは保護されます。

ダブルVPNのメリット

1. プライバシーの強化

単一のサーバーに通信の全情報が集中しないため、プライバシーが大幅に向上します。特に、VPNプロバイダーのサーバーが法的機関に押収された場合でも、1台のサーバーだけでは利用者の活動を完全には特定できません。

2. 二重暗号化

通信が2回暗号化されるため、仮に1層目の暗号化が破られても、2層目の暗号化で保護されます。現在のAES-256暗号化は事実上解読不可能ですが、将来の技術進歩に対する追加の安全策となります。

3. IPアドレスの追跡がさらに困難に

2台のサーバーを経由することで、あなたの本当のIPアドレスを追跡するのが格段に難しくなります。アクセス先のWebサイトから見えるのは2台目のサーバーのIPアドレスであり、それを1台目のサーバーまで遡り、さらに本当のIPまで追跡するのは極めて困難です。

ダブルVPNのデメリット

1. 速度の低下

2台のサーバーを経由するため、通常のVPN接続と比べて速度が低下します。

速度低下の目安:

  • 通常のVPN接続:元の速度の70〜90%
  • ダブルVPN接続:元の速度の40〜60%

動画のストリーミングや大容量ファイルのダウンロードには不向きです。

2. サーバーの選択肢が限られる

ダブルVPNに対応したサーバーペアは限定されています。NordVPNの場合、日本→香港、アメリカ→カナダなど、あらかじめ設定されたペアからしか選べません。

3. バッテリー消費の増加

暗号化処理が2回行われるため、モバイルデバイスではバッテリー消費が通常のVPNより増加します。

ダブルVPNが必要な人

ダブルVPNは全員に必要なわけではありません。以下のような特別な状況にある方に向いています。

ジャーナリスト・活動家

政治的に敏感な情報を扱うジャーナリストや人権活動家にとって、通信の匿名性は文字通り命に関わる問題です。ダブルVPNは、政府の監視から身を守るための重要なツールです。

内部告発者

企業や組織の不正を告発する際、身元が特定されるリスクを最小限にする必要があります。ダブルVPNにより、追跡される可能性を大幅に低減できます。

インターネット検閲が厳しい国にいる人

中国やイランなど、VPNの使用自体が監視・規制されている国では、ダブルVPNにより検閲システムからの検知を回避しやすくなります。

プライバシーを最大限重視する人

一般ユーザーでも、オンラインプライバシーを最大限確保したい方にはダブルVPNが有効です。

ダブルVPNが不要な人

以下の用途では、通常のVPN接続で十分です。

  • 動画ストリーミング — 速度が重要なため通常VPNの方が適切
  • 日常的なWebブラウジング — 通常のVPNで十分なプライバシー保護
  • オンラインゲーム — 遅延が増加するためダブルVPNは不向き
  • 海外からの日本のサービス利用 — 通常VPNで日本サーバーに接続すればOK
VPNプロトコルの比較はこちら →

ダブルVPNの設定方法

NordVPN — Double VPN

NordVPNにはダブルVPN機能が標準搭載されています。

設定手順:

  1. NordVPNアプリを開く
  2. 左側メニュー(またはサーバーリスト)から 「特殊サーバー」 を選択
  3. 「Double VPN」 をタップ
  4. 利用可能なサーバーペアから選択(例:日本 → 香港)
  5. 接続完了

NordVPN Double VPNの対応ペア(一例):
  • 日本 → 香港
  • アメリカ → カナダ
  • イギリス → オランダ
  • フランス → スウェーデン

対応プロトコル: OpenVPN(TCP/UDP)。NordLynx(WireGuard)では利用できません。

NordVPNの詳細レビュー →

Surfshark — MultiHop(マルチホップ)

Surfsharkでは「MultiHop」という名称でダブルVPN機能を提供しています。

設定手順:

  1. Surfsharkアプリを開く
  2. 画面下部の 「MultiHop」 タブを選択
  3. あらかじめ用意されたサーバーペアを選択
  4. または 「カスタムペアを作成」 で任意の2か国を選択
  5. 接続完了

Surfsharkの優位点: NordVPNと異なり、Surfsharkでは任意の2か国を自由に組み合わせてカスタムペアを作成できます。これにより、より柔軟なルーティングが可能です。

Surfsharkの詳細レビュー →

ExpressVPNの場合

ExpressVPNには2026年3月時点でダブルVPN機能は搭載されていません。ダブルVPN機能が必要な場合は、NordVPNまたはSurfsharkを選択してください。

ダブルVPN vs Tor vs 通常VPN

項目通常VPNダブルVPNTor
経由サーバー数1台2台3台以上
速度高速中速低速
匿名性高い非常に高い最高レベル
動画視聴可能やや困難不可能
設定の簡単さ簡単簡単やや複雑
推奨用途日常利用高度なプライバシー最大限の匿名性
一般的な用途には通常のVPN、プライバシーを強化したい場合はダブルVPN、最大限の匿名性が必要な場合はTorが適しています。

よくある質問

Q. ダブルVPNを常時オンにすべきですか?

A. いいえ。ダブルVPNは速度が低下するため、常時オンにする必要はありません。プライバシーが特に重要な場面でのみ使用し、通常は標準のVPN接続で十分です。

Q. ダブルVPNは2倍安全ですか?

A. 暗号化が2重になるという意味では安全性が向上しますが、単純に2倍というわけではありません。最大のメリットは、1台のサーバーに通信の全情報が集中しないことによるプライバシーの向上です。

Q. VPNを2つ同時に使うのと同じですか?

A. 異なります。2つのVPNアプリを同時に起動すると競合してエラーになります。ダブルVPNはVPNプロバイダーが1つのアプリ内で2台のサーバーを連携させる機能です。

Q. 無料VPNにダブルVPN機能はありますか?

A. 無料VPNでダブルVPN機能を提供しているサービスはほとんどありません。ダブルVPNには高性能なサーバーインフラが必要なため、有料VPNの機能です。

無料VPNの危険性について →

まとめ

ダブルVPN(マルチホップ)は、2台のサーバーを経由することで通常のVPN以上のプライバシーを実現する機能です。ジャーナリスト、活動家、内部告発者など高度な匿名性が必要な方に最適ですが、日常的な利用には通常のVPN接続で十分です。

ダブルVPN機能が必要なら、NordVPN(Double VPN)またはSurfshark(MultiHop)がおすすめです。

おすすめVPN比較表で詳しく比較する →

あなたに最適なVPNを見つけませんか?

5つの質問に答えるだけ。AIが最適なVPNを無料で診断します。

無料でAI診断する