ダブルVPN(マルチホップ)とは?必要なケースと設定方法【2026年最新】
最終更新: 2026年03月22日
ダブルVPN(マルチホップ)の仕組み、メリット・デメリット、必要な人・不要な人、NordVPNとSurfsharkでの設定方法を初心者にもわかりやすく解説します。
VPN Navi編集部
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通常のVPNは1台のサーバーを経由して通信を暗号化しますが、「ダブルVPN(マルチホップ)」は2台のサーバーを経由することで、さらに高いプライバシーを実現する技術です。
この記事では、ダブルVPNの仕組み、メリット・デメリット、どんな人に必要なのか、そして実際の設定方法まで詳しく解説します。
ダブルVPN(マルチホップ)の仕組み
通常のVPN接続
通常のVPN接続では、以下のような流れで通信が行われます。
```
あなたのデバイス → VPNサーバーA(暗号化・復号) → インターネット
```
通信は1回暗号化され、VPNサーバーAであなたのIPアドレスが隠されます。VPNサーバーAの運営者は、あなたの本当のIPアドレスとアクセス先の両方を理論上知ることができます(ノーログポリシーで保護されていますが)。
ダブルVPN接続
ダブルVPNでは、2台のサーバーを経由します。
```
あなたのデバイス → VPNサーバーA(1回目の暗号化) → VPNサーバーB(2回目の暗号化) → インターネット
```
ポイント:
- VPNサーバーAはあなたのIPアドレスを知っているが、最終的なアクセス先は知らない
- VPNサーバーBはアクセス先を知っているが、あなたの本当のIPアドレスは知らない
- どちらのサーバーも、通信の全体像を把握できない
これにより、仮に1台のサーバーが攻撃者によって侵害されたとしても、あなたのプライバシーは保護されます。
ダブルVPNのメリット
1. プライバシーの強化
単一のサーバーに通信の全情報が集中しないため、プライバシーが大幅に向上します。特に、VPNプロバイダーのサーバーが法的機関に押収された場合でも、1台のサーバーだけでは利用者の活動を完全には特定できません。
2. 二重暗号化
通信が2回暗号化されるため、仮に1層目の暗号化が破られても、2層目の暗号化で保護されます。現在のAES-256暗号化は事実上解読不可能ですが、将来の技術進歩に対する追加の安全策となります。
3. IPアドレスの追跡がさらに困難に
2台のサーバーを経由することで、あなたの本当のIPアドレスを追跡するのが格段に難しくなります。アクセス先のWebサイトから見えるのは2台目のサーバーのIPアドレスであり、それを1台目のサーバーまで遡り、さらに本当のIPまで追跡するのは極めて困難です。
ダブルVPNのデメリット
1. 速度の低下
2台のサーバーを経由するため、通常のVPN接続と比べて速度が低下します。
速度低下の目安:
- 通常のVPN接続:元の速度の70〜90%
- ダブルVPN接続:元の速度の40〜60%
動画のストリーミングや大容量ファイルのダウンロードには不向きです。
2. サーバーの選択肢が限られる
ダブルVPNに対応したサーバーペアは限定されています。NordVPNの場合、日本→香港、アメリカ→カナダなど、あらかじめ設定されたペアからしか選べません。
3. バッテリー消費の増加
暗号化処理が2回行われるため、モバイルデバイスではバッテリー消費が通常のVPNより増加します。
ダブルVPNが必要な人
ダブルVPNは全員に必要なわけではありません。以下のような特別な状況にある方に向いています。
ジャーナリスト・活動家
政治的に敏感な情報を扱うジャーナリストや人権活動家にとって、通信の匿名性は文字通り命に関わる問題です。ダブルVPNは、政府の監視から身を守るための重要なツールです。
内部告発者
企業や組織の不正を告発する際、身元が特定されるリスクを最小限にする必要があります。ダブルVPNにより、追跡される可能性を大幅に低減できます。
インターネット検閲が厳しい国にいる人
中国やイランなど、VPNの使用自体が監視・規制されている国では、ダブルVPNにより検閲システムからの検知を回避しやすくなります。
プライバシーを最大限重視する人
一般ユーザーでも、オンラインプライバシーを最大限確保したい方にはダブルVPNが有効です。
ダブルVPNが不要な人
以下の用途では、通常のVPN接続で十分です。
- 動画ストリーミング — 速度が重要なため通常VPNの方が適切
- 日常的なWebブラウジング — 通常のVPNで十分なプライバシー保護
- オンラインゲーム — 遅延が増加するためダブルVPNは不向き
- 海外からの日本のサービス利用 — 通常VPNで日本サーバーに接続すればOK
ダブルVPNの設定方法
NordVPN — Double VPN
NordVPNにはダブルVPN機能が標準搭載されています。
設定手順:
- NordVPNアプリを開く
- 左側メニュー(またはサーバーリスト)から 「特殊サーバー」 を選択
- 「Double VPN」 をタップ
- 利用可能なサーバーペアから選択(例:日本 → 香港)
- 接続完了
NordVPN Double VPNの対応ペア(一例):
- 日本 → 香港
- アメリカ → カナダ
- イギリス → オランダ
- フランス → スウェーデン
対応プロトコル: OpenVPN(TCP/UDP)。NordLynx(WireGuard)では利用できません。
Surfshark — MultiHop(マルチホップ)
Surfsharkでは「MultiHop」という名称でダブルVPN機能を提供しています。
設定手順:
- Surfsharkアプリを開く
- 画面下部の 「MultiHop」 タブを選択
- あらかじめ用意されたサーバーペアを選択
- または 「カスタムペアを作成」 で任意の2か国を選択
- 接続完了
Surfsharkの優位点: NordVPNと異なり、Surfsharkでは任意の2か国を自由に組み合わせてカスタムペアを作成できます。これにより、より柔軟なルーティングが可能です。
ExpressVPNの場合
ExpressVPNには2026年3月時点でダブルVPN機能は搭載されていません。ダブルVPN機能が必要な場合は、NordVPNまたはSurfsharkを選択してください。
ダブルVPN vs Tor vs 通常VPN
| 項目 | 通常VPN | ダブルVPN | Tor |
|---|---|---|---|
| 経由サーバー数 | 1台 | 2台 | 3台以上 |
| 速度 | 高速 | 中速 | 低速 |
| 匿名性 | 高い | 非常に高い | 最高レベル |
| 動画視聴 | 可能 | やや困難 | 不可能 |
| 設定の簡単さ | 簡単 | 簡単 | やや複雑 |
| 推奨用途 | 日常利用 | 高度なプライバシー | 最大限の匿名性 |
よくある質問
Q. ダブルVPNを常時オンにすべきですか?
A. いいえ。ダブルVPNは速度が低下するため、常時オンにする必要はありません。プライバシーが特に重要な場面でのみ使用し、通常は標準のVPN接続で十分です。
Q. ダブルVPNは2倍安全ですか?
A. 暗号化が2重になるという意味では安全性が向上しますが、単純に2倍というわけではありません。最大のメリットは、1台のサーバーに通信の全情報が集中しないことによるプライバシーの向上です。
Q. VPNを2つ同時に使うのと同じですか?
A. 異なります。2つのVPNアプリを同時に起動すると競合してエラーになります。ダブルVPNはVPNプロバイダーが1つのアプリ内で2台のサーバーを連携させる機能です。
Q. 無料VPNにダブルVPN機能はありますか?
A. 無料VPNでダブルVPN機能を提供しているサービスはほとんどありません。ダブルVPNには高性能なサーバーインフラが必要なため、有料VPNの機能です。
まとめ
ダブルVPN(マルチホップ)は、2台のサーバーを経由することで通常のVPN以上のプライバシーを実現する機能です。ジャーナリスト、活動家、内部告発者など高度な匿名性が必要な方に最適ですが、日常的な利用には通常のVPN接続で十分です。
ダブルVPN機能が必要なら、NordVPN(Double VPN)またはSurfshark(MultiHop)がおすすめです。